「ここではないどこかに行きたい」の「どこか」とは私の中では台湾かもしれない。
学生時代に初めての海外旅行で台北を訪れた際、見慣れた風景のパラレルワールドみたいな風景に衝撃を受けた。日本と似ているところが多いからこそ微妙な差異や文化の違いを探すのが楽しくて再訪を願いつつ5年近く経ってしまった。
規制が緩和され、漠然とここではないどこかへの気持ちが積もってきたので9月末に単身日帰りで台湾へ。
特に目的の観光地があるわけではなく、ただ街を歩きたかったのと台湾のキャラクター・ホビー事情を見たいだけだったので「ファンシー捜索」とテーマを作って散策した。
楽しかったのと、日帰りでもなんとかなった記録として残します。
AM5:00
金曜の終業後に空港へ、早朝3時の搭乗手続きまでソファで仮眠を試みるが全く眠れず。空港は寒い。おしりが、しんじゃう
眠れず徘徊していると羽田空港にてカスタムくんを発見、そういえばあなたはここが職場だったね。
ファンと言いながらも空港で業務に従ずる姿を見るのは初めてだったのでなんかバイト先で働く友達の勤務中の知らない顔を見たときのような、嬉しいような寂しいようなソワソワする気持ちになった。
9:00 桃園空港→台北駅
台湾着。
悠游卡(suicaみたいなやつ)を買いにカウンターに行ったら問答無用でちいかわを渡されて面白かった。日本人にはちいかわを渡してるのか?
いくつか種類を見て選ぼうとしてたがちいかわも好きだし出ていることを知らなかったから得な気分。ちいかわのちは吉なんだ、めでたいね。
知る人ぞ知る、台湾限定「ちいかわ」悠遊カード フルコンプ目指して駆けずり回った話 - TRAICY(トライシー)
↑ちいかわ悠游卡はこの記事がよかったです。泣き顔ほしい…
地下鉄で台北車站へ…
あ!かわいいを発見。
聯邦銀行のキャラクター・mykonosくんというらしい。こういう目は好きです。このスペースにFRPオブジェをドカンと置ける余裕が羨ましい。
朝は閉まっていたのでこれは夜の画像
台北駅の地下街は中野ブロードウェイをそのまま拡張したような雰囲気でホビーショップとカプセルトイなどがずーっと並んでいる。メインとも呼べる駅の直下にサブカル通りがでっかく鎮座していいんだ…と思った。商品はほぼ日本の輸入品なので特に買い物は無し。
店名おもしろい。低燃費少女の城之内くん?
10:30 中山区はキャットストリート
朝ご飯として鹹豆漿(豆乳スープ)を食べる。目的の店はその時期国慶節で休業だった。他にも行きたかった店がピンポイントで休業してたが仕方ない。ほぼ完徹に近い体に沁みる…
中山区に移動してショッピングモールの新光三越へ。台湾のアーティストブランド・AnyBears気になる。
寿司の熊かわいい。POPMARTもあったけどラインナップはほぼ日本と同じ。
中山区はあの…渋谷から原宿まで歩く時の表通りみたいな雰囲気だ…!少し道を外れるとキャットストリートのようなごちゃっと感もある。
12:00 雙連→トイザらス
もう昼だけど雙連朝市やってた!うれしい。
え!?!蟠桃あるじゃん?!
中国の平らな桃で日本ではほとんど発売しておらず、今年はもう出会えないと思って諦めてた蟠桃が!?!
しかし4つでTWD200(=約900円)か…果物は持って帰れないし今日中に4つ食べるのも…
買う。果物はいっぱい食べても大丈夫だから。
さっくり硬めの果肉ながら甘くてさわやかでちょうどいい!片手で食べやすいサイズ感。毎日風呂上がりにあってほしい。
かわいいを発見。馒头(=肉まんの皮のフカフカ的な)とアイスって合うか?と思ったけどおそらく馒头とかき氷をそれぞれ売ってるお店らしい。お腹に馒头を入れた北極動物が独特でファンシー。
その近所にあった有名なかき氷屋の冰讚は並びすぎて諦めた。来年こそ行く。
これは防火できてない建物を警告する貼紙…?上にごきげんな家もいる。なにかの基準に合格できたのだろうか。
食べてみたかった冷たい筍も食べた。ほんのり甘くてみずみずしくてとうもろこしっぽい!マヨネーズもなんか甘くてデザートのように食べられる。夏のさわやか小鉢
トイザらスきたわよ。
以前台北でバスに乗った際に窓から見えて気になっていた店に5年越しで行けてうれしい。
製品群は意外にも原色で海外っぽい…というか中国系のブランドが多いのかな?やや一世代前っぽいラインナップに見える。
よく見たらぜんぶ知らない子だ。日系企業が生まれなかった並行世界。
ザらスの入ってる商業施設にはユニクロやしゃぶ葉、くら寿司など日本のチェーンも入っており気を抜けば自分がどこにいるのかわからなくなる。特にユニクロなんて店舗の作りも商品も完全に同じで感動すら覚える。
おい!すかいらーくのヒバリのカレンダー!?
なんで?日本で発売して〜
14:00若者街・西門
電車で西門駅へ。
すみません、散々「ここは渋谷っぽい」「原宿っぽい」と他の地区で言ってたのですがここはマジの渋谷原宿+池袋。明らかに若者街だ!
ブラインドフィギュアの店もある。デパートに入っていたのはPOPMARTだったがこちらには日本未上陸(たぶん)のTOPTOY製品なども並んでいて新鮮!
なんも買わないつもりだったのに……(5000円分)
15:00 サンリオセブン
セブンイレブンサンリオコラボ店!!(7-ELEVEN 六福門市)
今日の最大の目的地。台北には他にもキャラフォーカスのコンビニが数店あって面白い。
キャアア! 店内は意外とサンリオ以外にもいろいろなキャラ製品がある。
STAY CUTEってどういう意味だろう、コロナ禍のSTAY HOMEを「家にいよう」と訳すのであれば「かわいくいようね」ということになるのだろうか。
そんなの…かっこよすぎる…♡
近隣の公園に犬のうんちステーションを発見。
狗狗黄金収集箱とのことです。
台北は街の落書きも多いが、なんか画風のテイストがちょっと素朴寄りな気がする。
マスクネズミちゃん、これ見れば見るほどキャラデザがすごく良くて感心してしまう。マスクの掛け方かわいすぎるよ
17:00 北投温泉街
ファンシーは関係なく普通に温泉が気になったので台北から30分程度の北投へ。
ここ、すごくいい!九份ほど足を伸ばす時間ないけどちょっと都市部から離れてみたい時にちょうど良い。
博物館は日本語キャプションも多少あり、文字が読めない場所でもフォトスポットや感覚でわかる展示が多くて面白いのに無料だし、銭湯は日本と同じスタイルで入れるので馴染みがいい。
外では地元のお祭りくらいの規模の音楽イベントがやっていて、夕暮れの風が気持ちよくて相当いい気分になった。風呂上がりに残りの蟠桃を齧り座っていたらなんか泣きそうになるくらいよかった。
チャミスルのカエルのグラビアありました。
19:00 寧夏夜市
時間がない!急いで食べるぞ!人多すぎる!
このピーナツ飴をカンナで削ってアイスと包んだクレープがやたらうまかった。ひんやりトロリとジャキジャキの食感がもちもちの皮で纏められていく口心地(くちごこち)が気持ち良い。日本で売ったら流行るよ。私が通う。
牡蠣の卵焼きも食べた。店員さんが忙しそうで、観光客ひとりオロオロしてても別に構われないし飲食店も相席でドカドカ人を入れるラフさが私には結構ちょうどいい。
犬も相席になるし。
夜市近くの「九乗九文具専家」という文房具屋が日本で言うロフトやハンズ的な品揃えで、トイザらスより今のトレンドに近いおもちゃがある印象だった。今っぽいおもちゃを探すならこっちを見た方がいいかも。
台湾は街中にクレーンゲームスペースが点在しているが中身の商品のセレクトに一切魂を感じなくてすごい。(ちゃんとしたゲームセンターもあるけど)
これは売れてるのか…?どういうテンションで遊ぶんだろう…?
駅までの帰りに台北地下街のクレーンゲームでボタン配置がキモいたまごっちを入手して大大満足。
22:00 桃園空港
空港の内部にはサンリオショップがあり、隣接の休憩所もかわいかった。暗く静かになったそこでみんなが雑魚寝をしていた。
もうこの段階で足腰と全てが限界を訴えており、写真も少ないし、なんか顔もパリパリになってきている。
その後2時に飛行機は飛び、8時にボロボロの腰で自宅のベットに倒れ込んだ。これにて弾丸台湾ファンシー捜索隊、終了!
かなり疲れるがボディバッグひとつで仕事帰りでも国を出ていけることがわかったことは大きい経験だった。あと日帰りは疲れすぎるので旅行の帰り道にありがちな寂しいとか後ろ髪を引かれるとかの気持ちが全くない。夢に近い体験。
元気なうちにまたやるぞ!
早く円安解消してくれよな!
(おしまい)